魔乳秘剣帖 9話
今週は、あまりに出来の良かった魔乳の感想を書くことにします。
魔乳秘剣帖9話、「つぼみの恋」。
このアニメ、怪しげなタイトルからしてエロがウリだと思われがちだが、
本当に凄いのは「総合力」。エロをギャグにまで昇華したコメディだったり、
前回の殿の戦闘シーンのような素晴らしいアクションだったり、
実績のある脚本家に裏打ちされた、シリアスパートの感動だったり、
「全てにおいてレベルが高い」というのがこの作品の強みだと思う。
今回も、無駄に熱い貧乳へのこだわりから来るシュールなギャグ、
そして、楓の恋を繊細に描いたドラマパートが素晴らしかった!
楓の幸せ
楓は能力的には恵まれないけど、キャラクターは非常にいいという、
所謂典型的な「応援したくなるキャラ」だと個人的には思っていて、
今回はそんな彼女に幸せが訪れたからこその感動があったように思う。
ここまで誰にも相手にされなかった楓を、遂に気にしてくれる男が!
…という展開は、毎週このアニメを見てる者には言い知れない感慨がw
佐小路も基本的には貧乳が目当てなんだとは思うけれども、
楓自体を気にかける描写(そしてそこを絶妙に隠すのが、また上手い!)
があったのが良かったと思う。
「語らない」美学
最後の、楓の「おっぱいがある私じゃ…嫌…でしょう?」に対する
佐小路の返答をあえて劇中では明らかにせず、余韻を残したのが印象的。
ここでの佐小路の返答のヒントというのは作中に散りばめられていて、
例えば、貧乳と言われて楓が傷ついた理由を理解し申し訳なく思ってる描写、
そして件のシーンの直後の楓の清々しい表情などから察すると、
恐らく佐小路は楓が喜ぶようなことを言ったんだろうと思うのだが、
それを名言せず、あえて演出だけで伝えようとしたというのが、
何かこちらの想像力を掻き立ててくれるようで、凄く良かった。
この「あえて語らない」ことの目的には大きく二種類ある気がして、
一つは、話のスケールを大きくすること(「エヴァ」が代表的)、
もう一つは、考える余地を与え、視聴者に理解と愛着を深めさせること
(こちらの代表は「灰羽連盟」だろうか)だと個人的には思っている。
そしてその語らなかったものに対するヒントをどれだけ与えるかによって、
どちらの要素が強くなるかが決まる(少なければ前者、多ければ後者)
と思っているのだけれども、今回はそのバランスが素晴らしく、
楓と佐小路の関係に深みを持たせつつ、かつ適切なヒントを与えることで、
視聴者が考えて答えにたどりつける絶妙なところを突いていたと思う。
ここ最近、こういう「うまく語らない」作品が無かった気がするのだが、
今回は久々にいいものを見せてもらった、そんな気がした。
男キャラのかっこよさ
殿もそうだけれども、乳について語る時の男共の表情がwww
「その脂肪のブヨブヨを早くしまえ」とのたまう佐小路の目つきwww
大真面目な顔をしてふざけたことを言う、しかしそのブレないこだわりが、
基本的に「アホ」な男キャラのかっこよさを際立たせているんだろう。
来週以降は多分、いろはの感想を書くと思うけれども、
魔乳は間違いなく面白い。タイトルと圧倒的に白い1話で食わず嫌いせず、
一人でも多くの人が、この作品に興味を持ってくれたらと心から思う。

にほんブログ村
Category: 2011夏感想まとめ
« 2011年秋期視聴予定アニメ その1 | TIGER&BUNNY 23話 »
この記事に対するコメント
コメントの投稿
トラックバック
| h o m e |