LUPIN the Third ~峰不二子という女~ 5話、「血塗れた三角」。
泥棒ものの基本中の基本、遺跡探索クエスト回。
ルパンを出し抜いた不二子が、宝を手放さざるをえなくなり、
泣く泣く宝を諦める、というよくあるルパン的展開でもある。
主役であるはずの不二子の出番はあまりなかったけれども、
各登場シーンが「いかにも不二子」で凄い印象に残ったw
ルパンと次元の平凡性ルパンの全てを見透かす洞察力に象徴されるように、
ルパンの登場人物は皆、「超人」というイメージがあったのだが、
今回の話を見ていると、結構みんな普通なんじゃないかと思えてくる。
最後の石棺の開け方が分からず、更に次元にそれを見透かされるルパンや、
トラップに引っかかって死にそうになる次元など、
普段ではあまり見られない側面が出ていたような気がする。
個人的に、普段のルパンシリーズの面白さって、超人たちが力を合わせて
超難しい盗みを成功させる、その
爽快感にあると思うのだけれども、
今回のシリーズは、1話以外はそういう話ではないように思う。
多分、シリーズ構成であり、
「凡人を描く天才」である岡田麿里の趣味なんじゃないかと予想しているのだけれども、どうなんだろうね。
「見せない」美学最後のルパンたちと不二子が別れるシーン、
不二子が彼らから顔を背けていて、表情が見えない演出が印象的。
最後のピラミッドからの脱出の場面、もし不二子が一人だったら、
紅孔雀を手放すことが出来ずに死んでいたわけで、
本来ならば、彼女はルパンに感謝するべき立場なはず。
ただ、不二子はそういう女ではない。恐らく、この別れのシーン、
不二子は宝が手に入らなかったことに対する不満しか持っておらず、
表情もただ不満に満ち溢れたものだったんじゃないかと思う。
ここで表情を隠したことで、不二子のキャラに「ただの悪女」ではない、
「深み」が出たんじゃないだろうか。表情を敢えて見せなかったことで、
不二子がルパンに感謝しているという「万に一つの可能性」が生まれ、
それによって、視聴者に
「ミステリアスな悪女」という印象を与えることが
できたんじゃないかと。今回もお宝のためにルパンを見捨てたわけで、
実際はただの悪女なんじゃないかとは思うのだけれどもw
次回も楽しみです。
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