あの夏で待ってる最終回、「あの夏で待ってる。」。
いい最終回!
イチカがどうなるか、というのが一番の見所だったと思うのだけれども、
思い出の場所は見つかったし、最後は地球に戻ってきたみたいだし、
ハッピーエンドと言っていいんじゃなかろうか。
イチカと海人今回、特に印象に残ったのが、
電車の中での二人の会話シーン。
ここ、イチカと海人のラブラブシーンに見えなくもないのだけれども、
個人的には
二人が不安を押し殺している、凄く切ないシーンに見える。
「ずっと一緒」「ずっと好き」というイチカの台詞もそう、
いつかイチカの星に行きたいという、「未来」を語る海人を見てもそう。
そして何より、
イチカが「ずっと」という言葉を使った後の、
海人に生じる少しの間、そして悲しげな表情がそれを強く感じさせる。
言葉では前向きなことを言っているんだけれども、心の中では、
離れ離れになる不安に押しつぶされそうになってるんじゃないかと。
というか、普通はそうなんですよね。
フィクションだと、そこは強靭な精神力で乗り切るのが普通だけど、
普通の人はそんなに強くない。だから不安が表に出てきてしまう。
でも、この作品はそこがいいところ。
「等身大」の登場人物だからこそ、
その登場人物の感情に親近感が生まれる。切なさを肌で感じられる。
この作品、そういう「距離感」を本当に大事にしている作品だと思う。
「「「あの夏を、忘れない」」」…イイね!台詞の重みが心地いい。
この作品を一言で表すと、イチカがやってきたことをきっかけに、
登場人物たちに変化が生まれ、その変化の勢いをそのままに、
全力で駆け抜けたひと夏の青春物語、ということになると思うのだが、
それを
敢えて登場人物たちのモノローグで語らせる、というのが凄く好き。
柑菜、哲朗、そして美桜と、この夏は苦しんだり、悲しんだり、喜んだり、
本当に
いろいろな感情が詰まった夏だったと思うのだけれども、
それが本人たちの口から語られたからこそ、この夏が本当に「特別な夏」、
というのを観ている方も強烈に印象づけられた。
総評長井監督&黒田脚本&J.C.制作ということで始まる前から期待していたが、
期待通り、この1クールの間、大いに楽しませていただいた。
この作品の強みは、兎にも角にも
「演出力」。
各回の感想にも書いたけれども、
登場人物の感情、というのを、
最大限に効果的に見せられる工夫が、随所に散りばめられていたように思う。
長井監督はこういう細かな感情表現、ホントに上手いですよね!
ただ、序盤はちょっと展開が遅かったようにも思うので、
展開の面白さ重視で見ると、もしかすると最初はちょっと退屈だったかも。
個人的には、序盤から細かい演出が鼻血出そうなほど良かったwので、
全く退屈はしなかったのだけれども。
長井監督を始め、スタッフの方々は1クールの間お疲れ様でした!
また面白い作品、期待しております!
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