放浪息子最終回「放浪息子はどこまでも ~Wandering son's progress~」。
にとりん、高槻さん、千葉さん、三人の放浪の旅が区切りを見せた最終回。
これまでに描いてきたことを丁寧にまとめた感じの、穏やかな最終回だった。
それと同時に、「放浪息子はどこまでも」というサブタイトルの通り、
まだまだ物語は続いていくのを匂わせる最終回でもあったので、
視聴後だいぶ経った今でも、未だに終わってしまったという実感が湧かない…
来週、放送が無くなって、初めて実感できるんだろうか。
やはりこの話は、三人の友情物語であり、成長物語なんだろう。
8話の感想でも書いたので、詳細はそっちを見ていただきたいのだが、
今回、千葉さんがにとりんへの気持ちにケリをつけたのを見て、
欠けていた最後のピースが、ようやくはまったような気分になった。
三人の物語なのだから、この二人の関係も前進しなければ終わらないのだと。
千葉さんはにとりんに対して悶々とした気持ちを抱えたまま終わる、
と前回までを観て思っていたので、この千葉さんの決意にはビックリしたが、
ここまでちゃんと描かないと、話が完結しないわけで、
作中で千葉さんがにとりんを諦めるのをきちんと描いたのは良かったと思う。
それにしてもこの、千葉さんがにとりんの頭に顔をうずめるシーン、
千葉さんがにとりんを好きだった何年分かの重みが伝わってきて、
観てるこっちまで、感傷的な気分になってしまう…
アニメ視聴者の我々の体感時間は所詮3ヶ月程度なのだが、
演出が上手いので、年月の積み重ねがヒシヒシと伝わってくる…
千葉さんだったら他にいい人見つかるよ!と信じたい。
最終回なので、総評。
演出とか脚本とか作画とか、いろいろ褒めるところはあるが、
それより何より、この作品をここまで面白くしたのは、
原作者を含めたスタッフの、登場人物に対する「愛」なのだろう。
にとりんや千葉さんといった主要人物から、土居や桃などの脇役に到るまで、
全ての登場人物をここまで丁寧に描いた作品は、ここ10年では無いと思う。
(12年遡ると「∀ガンダム」があるが、それだけ稀だということだ)
そしてキャラクターをそれだけ丁寧に描いているからこそ、
彼ら彼女らの行動(女装、男装除く)や考え、悩みにリアルさが付加され、
話にある種の臨場感が生まれ、面白く感じられるんだろうと思う。
個人的には、今期開始したアニメの中では一番面白かった作品だった。
あおきえい監督その他、スタッフの方々は本当にお疲れ様でした!
ものすごく面白かったです!次回作も期待しております!
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